『生命を護り、育む家⑦』

『生命を護り、育む家』は、私たちが、安全かつ安心して暮らせる住環境(住まいや職場)にかかわる重要な構成要素とその理想的な取り入れ方、活用について書いております。

 

ちなみに、最近立て続けに海外のドキュメンタリーを見る機会があり、気づいたことがあります。

それらは主に食を通して「本当に身体にとって良いものとは?」を主題に制作されたものなのですが、空間を構成する様々なことだけでは健全で健やかな人生を送るために真に必要なことが全く不足している、という事実に気づいてしまいました。

 

今回以降、このシリーズ(?)を『生命を護り、育む暮らし』と改題して、さらに取り上げる素材やテーマを拡大して一緒に考えていきたいと思いますので、よろしくお付き合いくださいませ。

 

さて、今回は『木』がテーマです。

 

木造の環境が人にとっては快適である、というのはもうすで多くの方がご存知でしょう。

それは例えば、森林浴が都会のコンクリートジャングルにいるよりも気持ちが良い、というのと同じことです。

森の中に入れば、木々が与えてくれる新鮮な空気、マイナスイオン、そして目に飛び込んでくる美しい緑に心底癒されますよね。

私は山が好きですが、山に登る理由の一つが、身体が自然の中に溶け込むことでリセットされる感覚を楽しみたいからです。

 

木は呼吸しますから、それ自体が調質作用があり、また気持ちをリラックスさせる芳香を放ち、無垢の木をすまいや職場に使用するメリットは、これら木が持つ性質の恩恵を受けることができる、というわけです。

 

思えば、かつて日本のすまいなど、あらゆる環境は木製であったわけですから、現在の私たちのほうが木の特性を求めている生活をしているにもかかわらず、木から離れてしまっているかもしれませんね。