神々が遊ぶ庭(カムイミンタラ)〜北海道大雪山で感じたこと③選択〜君は生き延びることができるか⁉️

神々が遊ぶ庭(カムイミンタラ)〜北海道大雪山で感じたこと③は、「選択」について書きます。

私たちは毎日多くの選択をしてますよね。

何気なく選択することもあれば、悩みに悩んで、よしこれだ!と選択して決定することもありますが、ここが実は大切なトコロで。

誰にもさほど影響しないようなこと(例えば、今日のランチは何を食べようか)をまあいいか、で決めても全く問題ありませんが。あ、いや、これも食べることが大好きな僕にはもちろん大切な選択であることも間違い無いのですが、一般的に、です。

誰かに、何かに、あるいは自分にとってすごく大事になってくる事象に関して安易に選択することが,と言うか,そういうことほど後から問題になったり、尾を引いたりしますよね。

自分の中で、普段から大切にしている価値観や考え方、そしてそれらの優先順位が明確になっているなら,そんな「しまった💦」は少ないものですが、日常の中であれやこれらが未整理、未消化状態での意思決定、選択は何かをリスクにかけることになります。

あるいは、自分の中で知らず知らず作り上げてしまっている制限や枠,思い込みに基づく意思決定も同じく、ですね。

 

登山では特に、体調はどうか。天候はどうか。日の出(日の入)時刻に対する現状はどうか。水分摂取量はどうか。装備はどうか(偉そうに書いてる割に忘れ物が多かった事実は無視!笑)などの意思決定によって、時に運命を左右することに。

 

で、今回、最初のアタックはトムラウシ山。事前にシゲタカ君がコースについてシミュレーションしてくれてます。

コースタイムは17時間。

エッ⁉️17時間!!!!!

これは自分にはチョット無理だろ,と思いました。シミュレーションとはいえ、人生初の12時間越えのロングコース。

テント泊は嫌だ,と私がリクエストしたから、トムラウシアタックが長時間の日帰りコースになってしまうのは仕方ないこと。

ただ,とにかく楽しむをテーマにした以上、まずは楽しむ。やってみる。

 

朝、2時半起床で準備をそそくさと済ませ、懐中電灯を装着して真っ暗な山道を粛々と登ります。

いつしか日も上り、懐中電灯を仕舞ったり、防寒具を脱いだり,行動食で準備したパンを齧ったりしながらドンドン進みます。

汗びっしょりになる側から,さすが北海道。少し休憩するだけであっという間に乾いていきます。

トムラウシはアップダウンが実に豊富で。このアップダウンは、コースが単純往復だから帰りもあるわけで。

 

それでも、いくつかのポイントでコースタイムをイメージできてるうちは余裕もあり良かったのですが。。。

 

人間、1番厳しい時に試されますね。

前トム平を過ぎ、苦手な岩場をヒーヒーと乗り越えた標高1758m地点あたり。眼前にトムラウシの雄々しいピークが広がったときが、決断の時、でした。

すでにかなり足はキテます。(ドラクエで言うとHP残存レベルは15くらい💦)

まだ最初の山で旅は始まったばかりでこの後まだ未知の3つの山が残されている。(ドラクエで言うと未知のモンスター3体と戦うことが決まってる、みたいな。因みにドラクエやったことないけど。)

足元からダーッと下りがあって、最後に一気に登ればもうピーク。

ただ、目の前にピークがある、と言うものの、尾根を歩く人の姿はあまりに小さく。

ここからピークまで行って、ここまで戻るのにまだ3時間はかかるよ、とピークからの戻りの登山者の弁。これまでの行程を考えると登山口帰着は19時過ぎに(T-T)

僕の中で、僕と言う経営資源と目の前に広がるトムラウシと帰りのルート,その先の見えない予定との葛藤がスパークしました。今までの自分が作り上げた限界との葛藤もあります。

シゲタカ君は「2人で来てるんだから単独行動は絶対にしない。」と明言してるから、ピークを諦める事は彼の達成を阻むことにもなる。

が、30分ほど悩みに悩んで、最終的に。

僕はピークを踏むことを諦めました。

それを超えたら未見の我との出会いがあったかもしれない。シゲタカ君もきっとメチャ喜んだに違いない。

色々な可能性や歓びを、ピークアタックを諦める,と言う選択をしたことによって失ったわけですが。

全く後悔はありません。


それはヤッパリ、無事に生きて家に帰る,と言う旅の前提の約束と、「プロセスを楽しむ」というテーマを満足させることが、その時点で確信できたからです!!

そう言うわけで、トムラウシは今回私に選択の瞬間と言うことについて、改めてとても大切な学びをくれた山になったのでした!!

 

まだまだ④に続きまーす♪