空間プロデュースに欠かせないもの 〜ショールーム巡り


今日はcafé Neoのお施主様のHさんと、1日かけて名古屋のショールームやお店を見て回りました。

内容は、まず輸入ドアやサッシ、おしゃれな輸入の水栓金具などの設備類を取り扱っているBe Westのショールーム。次に厨房機器全般、中古も含めて色々あります、のテンポスバスターズ。内装を仕上げていく上で床材、クロス、カーテン類に不可欠なサンゲツ。そして私も大好きな、デザインがとっても豊富なタイル、ブリック類を扱う名古屋モザイクさん。

この辺りはフルハウスのショールーム巡りではド定番です。

今回は水周りの設備の確認もしたかったので、水周り設備の最大手、TOTOも閉店ギリギリに駆け込んで行きました。

これに加えて、ネットをチェックしながら、イメージをより具現化できるものをひたすら探していきます。

どのお店やショールームに行くかは、それまでの打ち合わせでイメージを固めて行くので、見当違いなところで無駄な時間を過ごすことは避けられます。

こういう交通整理的な役割は前職の貿易商社時代に培われ、鍛えられたものです。

日本全域で探すので、そこにしかお目当てのものがない、と大阪の雑貨屋さんに行ったこともあります。

Hさんのイメージにピッタリの幸せリゾート空間をプロデュースするためには、とにかくHさんの頭の中にあるものと、実際に世にでているもの、あるいはそれを加工、組み合わせすること、とのより理想的なマリアージュが必要です。

こういう時、私の役割は仲人さんに近いと言えるのかもしれません。

そして仲人さん同様、と言っても仲人経験のない私にとっては、それも想像の域を出ないものですが、紹介や提案はするけれども、それに対して最終判断はあくまでも本人が決断しなければなりません。もちろん、「これではないですよね?」的な逆説的なものを一緒に確認することで、イメージの共有化をより深めたりもします。

こういう時の私の意図は、ブレインストームによって混乱ではなくむしろ、好みを整理する狙いがあったりしっます。

「瓢箪から駒」みたいな、ひょんな事からグッドアイデアに繋がったりすることもあります。

こういうことを一般的にはコーディネーターの仕事、というのかもしれませんが、「幸せリゾート空間プロデュース」を自負するフルハウスとしては、そこに高い付加価値を作り出せているのではないかと思います。

それは、やはり私の8年半のJTB時代の国内有名旅館のほぼ制覇による大量のデザイン&おもてなし体験や、6年間の貿易時代の年間60日に渡りヨーロッパ文化、それも特に家具の文化にどっぷり浸ることで得た圧倒的な情報量が大きな支えとなっています。

単なる空間プロデュースではなく、幸せな空間プロデュースであること。

そのためには何が必要なのか、をお施主様に寄り添い、共に見出していく。

そしてそれは自分にとっても、とても楽しくて、心から幸せな時間なのです。

大げさに言えば、そのために欠かせないことの1つがこのショールーム巡りなのです‼️

私らしいカフェのあり方を求めた結果❓❗️


新築中のカフェのキッチン動線にお施主のHさんが頭を悩ませていました。

というのは、このカフェのロケーションが、淡墨桜という、岐阜ではかなりの名所の真向いにあり、4月桜満開のシーズンともなるとそこへ至るまでの道が延々と渋滞を起こすという超繁忙期があり、逆にその約2週間以外はポッカリと閑散であるという、実に良くも悪くも風光明媚な地域性なのである。

お施主様のHさんは学校の教師という職に就いていて、過去に全くサービス業、ましてや飲食店業の経験はない。

ただでさえカフェの運営について「どのようにやっていこうか?」と悩ましいことが満載であるのに、「超繁忙期にどのように対応するか?」という非常に大きな課題がある。

なるべく人の手を借りずにその時期を乗り切ろうとすれば、勢い、オートメーション対応可能なメニューやドリンクのセルフサービスなどが選択肢に入ってくる。

けれど、これらは2週間以外はむしろサービスとしてはちょっと寂しい。

そしてキッチンの様々な設備や動線、給排水の位置にも大きく影響する。

当初はそのような計画で進めてきた。

Hさんが素晴らしいのは、ここで改めて基本に立ち返ったことだ。

なんのためにカフェを始めるの❓

どうしたら私らしくカフェをやれるの❓

自分が理想とするカフェのあり方やビジョンはどのようなものなのか❓

これを突き詰めたことで、超繁忙期対策をしない、という選択に至ったのである。

これはとても勇気がいることだ。

超繁忙期に超繁忙期対応をしない、ということは見込める売上(収益)が下がることに等しいからだ。

もちろん良い点もある。超繁忙期向けの設備が全面的に不要になり、動線もスッキリする。

Hさんにとってのカフェで本当に大切なのは、そこでは無かったということ。

カフェのコンセプトであり、ブランディングの根底をなすもの。

それこそが、Hさんのカフェにかける志なのだ。

「最も大切なのは、志を明確にしてブレないこと」。と1857年に吉田松陰先生も言っている。

カフェ新築の地鎮祭に乾杯!!

梅雨が山を湿らせ、草木が薫る中でのcafe Neoの地鎮祭です。

ここまでくるのに、おそらくお施主様のHさんは様々な葛藤を繰り返してきたことでしょう。

時には希望と勇気に満ち溢れ、時には恐れや不安で一杯になりながら、でも一歩一歩やるべきことを少しづつ進めて、最終的に「大いなる決断」をしたんだと思います。

私はHさんにとって、最高のチアリーダーになりたい、と真剣に思っています。

それがフルハウスにお声がけをくださり空間プロデュースのパートナーとして選んでくださったHさんへの誠意を行動で示すことだと思っています。

地鎮祭の最中、横に目をやると、淡墨桜が1500年の樹齢を数えながらも、折れた枝の先にまた新たな芽を出していました。それはまるで、勇気を出して一歩を踏み出したHさんに幸多かれ、と見守ってくれているようでした。

後悔しないための窓の選び方

窓論です。

一般的には窓について日常生活で意識して考えることってあまりないと思いますが、私は空間プロデュースの仕事上、割と多い方だと思います。

そもそも家とか建物の目的は、屋外環境を(良くも悪くも)遮断するためです。

でも、壁と屋根で全てを遮って仕舞えば、真っ暗な、味気のない、なんとも以後ごちの悪い空間でしかありません(尤も、あえてそんな空間が必要な場合もあるわけですが)。

つまり窓は、言って見れば屋外環境の良さを屋内空間に取り込むための、文字通り窓口なんですよね。

屋外の良さは、なんといっても気持ちの良い陽の光とそよぐ風。そして景観。

加えて日本には四季の移ろいというものがあるから、そのシーズンごとの季節の良さや風向き、天候、景色の変化、太陽の高度の変化など、様々な変化要素があります。

窓を設置するには、当然、これらの諸条件を含めて検討する必要があるわけです。

ある小学校の建物で、それを実感したことがあります。

その小学校、旧校舎の建て替えで木材をふんだんに使って、デザインもなかなか素敵なんですが、先生曰く、風の通りが全くなく、ために夏は極めて不快な校舎内になってしまうそうです。

おそらくそれなりの設計士さんが関わったはずですが、実際の現地調査で、そのあたりの掘り下げが不十分だったのかもしれません。

因みに自宅をカフェにした際に、都合上真っ暗になってしまう部屋の屋根に天窓をつけて、採光と通風を解消できたことがあります。

夏場の太陽の直射については布で防ぐことで解消しました。

窓を付ける際に考えることとして、以下列挙してみましたので、今後の何かのご参考にしてください。

窓を設置する時の要素。

窓の位置、サイズ、機能を決める。

1年を通して太陽や月の高さや軌跡を考慮しての光の入り方、季節毎の風の通り方、部屋内から見える景色とその移ろい、外側から見える部屋内の状態や外観のイメージ。

窓は透明なのか、すりガラスなのか、あるいはどの程度のすりガラスなのか。

窓枠の素材は何か。樹脂製?木製?鉄?あるいはその組み合わせ?色は?

以上を考慮して決めれば、まず後悔は無いと思います。