エコハウスについて

あるクライアントから、「エコハウスの素材提案をしてほしい」といわれ、これまで漠然と捉えていたエコハウスというものについて、改めて考えてみました。

 

エコハウスとは、自然や人に対して負荷をかけない、という基本的な考え方に基づいた家です。

ドイツ発祥の「パッシブハウス(人工的エネルギーではなく、自然の光や風をより活用した家)」が潮流の原点にあります。

 

より快適に暮らすためのすまいは、高気密・高断熱であることが必須といわれる昨今、光や風を取り入れるという正反対の視点から発したエコハウスの在り方も、最近ではどちらかというと高気密・高断熱ありきの議論が多いようです。

エコハウスにきちっとした定義がないのが原因だと思いますが、結果、建築士や企業の考え方によって提案されるものも変わってきます。

 

さらにAIの進化が、すまいにおけるIOT(internet of things)の浸透に拍車をかけて、次々に私たちの住空間やライフスタイルに変化をもたらしています。

 

一口にエコハウス、といっても、結局そこに住まう「人」の核となる考え方や価値観が軸となります。

 

昨日、岐阜の世界遺産「白川郷」にある「義務教育学校白川郷学園」を訪問しました。

冬の厳しいシーズンには2メートルもの積雪に見舞われる地域です。

 

校舎の施設は木材をふんだんに使い、光をたっぷりと取り入れ、とても気持ちの良いところでした。と同時に、設備におけるITの多大な活用ぶりに感動しました。

 

「ひとりだち」という学校理念のもと、生徒たちが生き生きと活動しているのを肌で感じて、自然との共生観に基づいて、自立した生き方、ライフスタイルの実現に貢献することこそ、理想的な住空間の創造に携わる人間の役割であり、エコハウスを創造するうえで軸となる考え方であることを再認識しました。